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倒産
2016/04/25

キャッシュフローでは、見抜けなかった倒産!(㈱サンク‐破産)

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2015年10月31日に事業停止し、2016年1月14日に破産決定を受けました㈱サンク(大阪市西区西本町1-10-10、設立平成3年2月、資本金9900万円、鳴瀧順史社長、従業員45名)を事例として取り上げます。

ビルメンテナンス、セキュリティ(監視カメラ)、アパレル、流通、RFIDの5部門で事業を展開。

※RFID:クレジットカード決済・電子マネー決済が可能な複合決済端末の店舗設置

中でもRFID事業に注力、法人に対して出資を募り業務を拡大。(全国で100億円前後の集金)

・旧幹部が多額の委託報酬金を不当に取得、過払金として会社側から返還請求。

・新型決済端末機開発に多額の費用を投入、端末が完成せず失敗。

国税局から立ち入り・査察により事業継続に必要な書類、資料の大半が押収。

マルチ商法の疑いがあるとして、詐欺罪で大阪府警に刑事告訴されたとの報道。

上記の要因により、2015年10月31日に事業停止しています。

 

【売上】2013年8月期:17億9874万円、2014年8月期:13億313万円となっており、RFID事業が頭打ちとなって売上が下がったとされていますが、【前払金】2014年8月期:約41億円が計上されていまして、この前受金に対して、大阪国税局より所得漏れの指摘を受けています。

出資者より受け取っていた資金を「端末設置着手金」として前受金として、負債計上し、売上高から除外する事で、所得を圧縮していたと認定され、2014年8月期までの3年間で8億円の申告漏れとされました。

前受金の実態は、ネットワークビジネスに参加するための取次店の権利を販売した結果であり、売上計上すべきとされたようです。

という事であれば、実際には頭打ちになっていたのではなく、どんどん被害が拡大していたという方が正しい見方のような気がします。

前受金を多く計上した事で、別の効果も現れています。

キャッシュフローの視点から見ますと、前受金の増加は、プラスに働きますので、キャッシュフローを良く見せるという効果が出ています。

キャッシュフローからは、優良な会社に見えてきます。

財務分析の結果だけではなく、決算書自体を見る事も大切だと認識させられる事例となっています。(キャッシュフローの良かった理由が、売上の3倍以上ある前受金となれば、当然、前受金の中身を気にするはずです。)

 

前受金を使った決算書の操作(粉飾)は、一般的な手法の一つとなっています。

・前受金とすべきところを、売上に計上して、売上が伸びているように見せる

・売上とすべきところを、前受金に計上して、利益圧縮を図る

 

等がありますので、決算書を見る際には、前受金のチェックもお忘れなく。