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分析
2017/06/30

“忖度”融資!?商工中金による財務書類の改竄テクニック

ブログ

【はじめに】
定例の『今年の粉飾を把握する』は、2017年秋に発行する。
しかし、号外とも言うべき事件が発生した。

 

 

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◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『「資産圧縮」の米国FRBと「資産膨張」の日本銀行

【2】  本文        『“忖度”融資!?商工中金による財務書類の改竄テクニック

【3】  編集後記    『非日常の“エッ!”』

 

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【1】「資産圧縮」の米国FRBと「資産膨張」の日本銀行

6月14日、連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.25%引き上げる
ことを決めた。


今年2回目の利上げの発表とともに、FRBの保有資産を圧縮する具体策を
約3年ぶりに改定し、年内に始めると宣言した。


一方、日本経済新聞の報道によれば、「日本銀行の日本株の保有残高は
17兆円を突破し、計算上、発行済み株式数の5%以上を保有する企業数は
83社に上る」という。


FRBと違い、日本銀行に資産を圧縮する方針は、現段階ではない。


指数連動型上場投資信託(ETF)の爆買いの結果、
日本銀行は上場企業の隠れ大株主となっており、市場を歪めている批判もある。


万が一、日本銀行が間接的に保有している企業が倒産した場合、
その損失は巡りめぐって国民に跳ね返ってくる。


2017年6月26日、東証1部上場企業のタカタが倒産した。
(1年9ヶ月ぶりに上場企業が倒産。)


タカタの倒産は、すでに織り込み済みかもしれないが、今年の上場企業の倒産は、これで終わりなのだろうか!?

 

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【2】“忖度”融資!?商工中金による財務書類の改竄テクニック

【はじめに】
定例の『今年の粉飾を把握する』は、2017年秋に発行する。


しかし、号外とも言うべき事件が発生した。


商工組合中央金庫(以下、商工中金)による融資先の財務書類の書き換えである。


「危機対応融資制度」を利用して、業績が悪化した中小企業の財務書類を
融資の必要性が高いという審査結果を得るために、財務書類を書き換えた。

 

本件は、「融資が焦げ付いたとしても、財務省管轄の日本政策金融公庫が
融資額の最大8割を保証を行う仕組み」となっていることから、
融資目標のノルマを達成するために、公金(税金)を配ったに等しいと言われても仕方がないだろう。

 

また「融資を受ける側」ではなく、「融資をする側が書類を書き換えると
いう何とも理解し難い、例外的な粉飾事件と言っても差し支えないだろう。

 

【財務書類の書き換え方法】
この事件は連日報道されているが、具体的にどのような方法で
財務書類が書き換えられたのかを報じているニュースは見聞きしない。


そこで、2017年4月25日にリリースされた172ページにも渡る
『「危機対応業務の要件確認における不正行為」に関する第三者委員会の調査報告書』から、
具体的な書類な書き換えテクニックを抜粋したのでご紹介する。

 

 

【財務書類の書き換え方法】
(1)日付の改ざん
試算表の日付部分をはさみで切って貼りかえた。


(2)金額の改ざん
試算表の売上高や粗利益といった危機要件の認定に影響する部分の金額を
別の試算表の数字と入れかえた。

具体的には、別の試算表の金額部分をはさみで切って貼りかえた。


(3)自己作成(自作)
エクセル等のアプリケーションを用いて、試算表を自ら作成した。


(4)虚偽の顧客ヒアリングによる試算表の修正
顧客から受領した真正な試算表に、顧客からヒアリングした内容として
手書きで危機要件を充たすよう数字を書き込んた。


(5)人数の改ざん
人数部分に、はさみで切り取った数字を貼りつけた。
手書きで「6」を「8」に書き換えた。

 suuji.jpg

 

【組織的な不正ゆえに、内部統制は無いに等しい】
長年、上場企業の不適切な会計(粉飾)のレポートを読んできたが、
こんな古典的な方法で社内審査がよく通ったと言え、
そもそも内部統制や社内チェックが全く機能しておらず、
融資目標(ノルマ)のため、何でもありだったと推察できる。


第三者委員会の報告書によれば、
目視で切り貼りの跡や印字のずれ、枠の一部が消えている」が
あったという。


また、ある課長は、営業担当者が顧客資料を修正ペンで
消して数値を書き直し、そのコピーでなく原本の方を稟議添付して
きたときには、「これはダメだろう」と差し戻したという。

これは、「もうちょっと分からないように工夫して、資料を修正してこい」という
指示にも取れる。


さらに、売上高の金額を切り貼りした場合など、
各項目別の売上高を足しても総売上高の金額と合わないと言った事例も
あったらしく、民間の金融機関ならば起こりえない極めて杜撰な融資審査と言える

 

 

【粉飾の目的】
粉飾を行う企業は、外部(金融機関、取引先)の信用を
得るために、決算書を粉飾する。

商工中金は、融資ノルマの達成というよりは、
「倒産件数を少なくする(景気が良い)」や
「非常事態には政府が充分なサポートをしている」という
経済産業省(中小企業庁)や政府の方針を“忖度”して、
自主的に財務書類を書き換えたともいう側面もあるのではないだろうか?

 

 

【総括】
自社の信用を得るために、売上や利益を多く見せようと
することは「粉飾」である。

一方で、自社の税金を少なくするために、利益を少なく
することを「逆粉飾」という。

 

今回の事案は、通常の粉飾と主語が違う

自社ではなく、融資する事業体が主語である。

粉飾“逆」とでも、表現すべきかもしれない。

この「粉飾“逆」が、3年連続で倒産件数が10,000件以下と
なっている要因の1つと言えるのは、間違いないだろう


※ 参照資料
・「危機対応業務の要件確認における不正行為」に関する第三者委員会の調査報告書の受領について(2017年4月25日)
http://www.shokochukin.co.jp/newsrelease/pdf/nr_170425_01_besshi1.pdf


・「大株主」日銀、5%以上保有は83社 ファストリや京セラなど (2017年6月24日 日本経済新聞 朝刊)

 

【3】非日常の“エッ!”

“エッ!”や“オッ!”といった驚きは、人生を豊かにすると思っています。


滅多にありませんが、“エッ”の後にナチュラルな“二度見”をした場合は、
最高の“エッ”だと思います。


つい最近、“エッ、エーー”という体験をしました。


それは、帰宅途中の電車の中の出来事でした。

私は、ボックス席(4人掛け)の真横にある2人掛けの席に、1人で座っていました。

すると、何やら隣のボックス席で、足が当たったことをキッカケに口喧嘩が始まりました。

ちらっと見たところ、「40代後半の体格が良く強面(こわもて)で角刈りのオジサン」と
「白髪で60代ぐらいの頑固風なお爺さん」の決闘でした。

 

<配置図1>

haichi.jpg

 

静かな観客として見守っていましたが、
『どちらかが電車を降りる時にどういう展開になるのかな?』と想像していた所、
想像を遥かに超える“エッ”と思わせる展開が待っていました。


先に、「強面(こわもて)で角刈りのオジサン」が降りることになりました。

この「強面(こわもて)で角刈りのオジサン」は、
電車を降りてから即反転して、外から扉に手をかけました。


「おい、降りろ。お前が降りねえと電車が動かねえぞ!」と
「電車止める宣言」をしたのです!


ここで、少し想像をして頂きたい。


私は、ボックス席(4人掛け)の真横にある2人掛けの席に座ってたんですが、
ボックス席より2人掛けの席の方が、外の扉に近い。

「強面(こわもて)で角刈りのオジサン」が叫んだ先の一番近くには私がおり、
私の奥のボックス席に相手のお爺さんがいます。

 

<配置図2>

haichi2.jpg

 

見ようによって、いや多くの人には、私が「ご指名」を受けているように見えたことでしょう。

そこから、駅員が2名ほど、血相変えてやってきて、「強面(こわもて)で角刈りのオジサン」に
「お客さん、とにかく電車を動かせてください。お願いします!」
本当に泣くんじゃないかというレベルで懇願していました。


そして、電車内では、「どうなっているんだ?」と思った
物好きなギャラリーが集まりはじめ、その中には電車が止まったことのイラツキを
全く隠さない「“本物を思わせる”怖いおじさん」もおり、
全くの部外者である私が被疑者として扱われかねない状況となっていました。

ただ、それは「強面(こわもて)で角刈りのオジサン」がボックス席に
いるお爺さんが相手であることを説明することによって、誤解は解けました。


この寸劇の登場人物は、「駅員2名」と「喧嘩している2名」のみですが、
そのセンターに全く関係ない私が堂々と存在していることを考えると、
自分でも笑えてきて、印象に残る出来事でした。

ちなみ、最後は駅員の説得に応じた「強面(こわもて)で角刈りのオジサン」が
扉を開放して、電車が動きました。

およそ、15分程、電車が止まる非日常の出来事でした。

 


倒産・粉飾ウォッチャー 塙 大輔



5ヶ月ぶりのメールマガジンとなりました。
少しアッサリとしたメールマガジンを加えるなどして、
執筆回数を増やせないかと思案検討しています。
ただ、心の中で、『思案検討のみで終わる確率が高い』と思っている節は
否定できない事実です・・・。

 

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