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粉飾
2017/12/06

今年の粉飾を把握する〔2017年〕- 資金流出系の隆盛 -(1)

ブログ

例年通り、企業評価の“眼”を更新することを目的として、
『上場企業の不適切な会計処理』のリリースをまとめたレポートをお送りします。

 

【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/  vol.30

◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『検査データの不正は、粉飾(不適切な会計)だ!』

【2】  本文      『今年の粉飾を把握する〔2017年〕- 資金流出系の隆盛 -』

【3】  編集後記    『営業する人と営業される人』

 

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【1】検査データの不正は、粉飾(不適切な会計)だ!

 

日本の優良企業と位置付けられる企業において、検査データの不正が相次いでいる。


検査データの不正の内容については、報道を見れば明らかなため割愛するが、
その果実とは、一体何だろうか?


それは、「業績や利益の拡大(確保)」である。


想像するに、各社の工場では、設定された目標数値を達成するために、
割り当てられた人員、予算を駆使していた。


たが、ある段階で限界を超えたのだろう。


その結果、検査データの数値が改ざんされ、それが常態化したものと推察される。
(神戸製鋼所では、10年近く前から改ざんがなされていた。)


各工場の現場をイメージすると感傷的にもなりそうだが、
第三者のドライな視点に立てば、検査データの不正によって、業績を嵩上げしており、
その結果が決算書に反映され、株価(企業価値)にも影響していた。


要は、検査データの不正は、粉飾(不適切な会計)で得られる果実と同じなのである。


しかし、その扱いは、著しく違う。


上場企業における粉飾(不適切な会計)は、金融商品取引法違反であり、
刑事罰の対象となりえるが、それに比べて検査データの不正は粉飾に比べて、
マイルドな扱いだ。


おそらく、それは歴史の差から来るものだろう。


紀元前から存在する粉飾行為と昨今話題の検査データの不正では、人々の持つイメージが全く違う。


だが、繰り返しになるが、検査データの不正と粉飾(不適切な会計)によって得られる結果は
同じであり、決算書をキレイに整えて、外部を欺いていることに変わりはない。


つまり、検査データの不正は、粉飾(不適切な会計)なのである。

 

それでは、毎年恒例の「粉飾を把握する」メルマガをお楽しみください。

 

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 【2】今年の粉飾を把握する〔2017年〕- 資金流出系の隆盛 -

 

【不適切な会計処理】
例年通り、企業評価の“眼”を更新することを目的として、
『上場企業の不適切な会計処理』のリリースをまとめたレポートをお送りします。
(長文のため、本日と12月7日、8日の3回に分けて配信します。)

 

【21件のリリース】
“今年”※は21件の「不適切な会計のリリース」があった。
21件という件数は、昨年と同じ件数であり、3年連続で20件を上回った。
(ちなみに、2016年21件、2015年21件、2014年14件、2013年20件、
2012年29社、2011年17件、2010年15件だった。


※ 集計及び執筆時期の都合上、2016年9月~2017年8月を“今年”と
表現させて頂いております。ご了承ください。

 


【不適切な会計に関する調査報告書 -概論-】
報告書には、2種類ある。


(1)内部調査委員会報告書(社内調査委員会報告書)
社内の監査役や顧問弁護士等によって作成された報告書。

→ 身内によって作成された報告書のため、甘い報告書となりがち。
「調査した」という外形を整えることを目的とした報告書に見えるものも多い。


(2)第三者委員会報告書(社外調査委員会報告書)
企業から独立した弁護士や専門家等によって作成された報告書。
日弁連の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿って、作成される。

→ 経営者等のためではなく、すべてのステーク・ホルダーのために
作成された報告書のため、内部調査委員会の報告書に比べれば、
格段に透明性の高い報告書である。


調査報告書概要については、下記の資料をご参照ください。 
<不適切な会計に関する調査報告書 -概論->
http://alox.jp/dcms_media/other/171204_outline_dressingreport.pdf

 

<不適切な会計処理に関するリリースをした会社一覧>

リリース時期 コード 市場 社名
2016/09/16 7715 東証1 長野計器
2016/10/14 3674 マザーズ オークファン
2016/10/19 4064 東証1 日本カーバイド
2016/10/28 3501 東証1 住江織物
2016/10/31 6493 東証2 日鍛バルブ
2016/11/04 3286 マザーズ トラストホールディングス
2016/11/11 1882 東証1 東亜道路工業
2016/12/09 2743 ジャスダック ピクセルカンパニーズ
2017/01/06 9747 東証1 アサツー ディ・ケイ
2017/05/02 6397 東証2 郷鉄工所
2017/05/10 3156 東証1 UKCホールディングス
2017/05/22 9829 ジャスダック ながの東急百貨店
2017/06/08 6425 ジャスダック ユニバーサルエンターテインメント
2017/06/10 4901 東証1 富士フイルムホールディングス
2017/06/30 6300 東証2 アピックヤマダ
2017/07/14 7719 東証2 東京衡機
2017/07/20 3004 東証1 神栄
2017/07/28 6840 ジャスダック AKIBAホールディングス
2017/08/09 6715 東証1 ナカヨ
2017/08/10 8113 東証1 ユニ・チャーム
2017/08/22 7878 ジャスダック 光・彩

 

<不適切な会計処理 リリース概要一覧表>
http://alox.jp/dcms_media/other/171130_2017dressing.pdf

 

 

【不適切な会計処理の型】
今年は、粉飾をその手法等に基づき、
「売上加工」「利益捻出」「混在」「資金流出」「循環」の5つに分類した。


「売上加工」とは
→架空売上、押し込み販売、売上の前倒しなど、売上を増やす行為


「利益捻出」とは
→売上原価の過小計上や翌期繰延、費用の過小計上や翌期繰越、
棚卸資産の過大計上など、利益を増やす行為


「資金流出」とは
→創業者や特定の担当者による商行為の私物化、
協力会社との癒着によるキックバック、買収や取引を通じてグループや
協力会社への資金援助など、会社から資金を流出させる行為


「循環」とは
→協力会社を通じて、売上、仕入れ、資金を循環させる行為


「混在」とは
→売上を増やす行為と利益を増やす行為などの多種多様な行為

 

 

【分類別の企業一覧】

<売上加工>
・オークファン
・ピクセルカンパニーズ
・富士フイルムホールディングス
・アピックヤマダ


<利益捻出>
・日鍛バルブ
・トラストホールディングス
・ユニ・チャーム


<資金流出>
・東亜道路工業
・郷鉄工所
・UKCホールディングス
・ながの東急百貨店
・ユニバーサルエンターテインメント
・ナカヨ
・光・彩
・AKIBAホールディングス


<循環> 
・神栄


<混在>
・長野計器
・日本カーバイド
・住江織物
・アサツー ディ・ケイ
・東京衡機

 

 

【今年の傾向】
21社中8社(38%)が資金流出型の粉飾だった。
とにかく、外部へ資金を流出させるために、貸付金を利用しない手法が駆使された。

また、例年多いのだが、連結子会社の粉飾が、21社中12社(57%)となった。
その内、22社中4社(19%)が中国の連結子会社における粉飾だった。

管理の行き届いた企業が、技術やノウハウを持つ会社を買収した数年後に、
粉飾が発見されるケースは非常に多い

監査の限界と同様に、限られた時間で行われる買収前のデューディリジェンスにも
限界があるのは自明の理だ。

 

 

次号に続く。 

 


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