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倒産
2018/01/30

今年の倒産を予測する - 2018年 - ②

ブログ

前号からの続きです。

 

【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/  vol.32

◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『戦うか、逃げるか、日米文化論』

【2】  本文      『今年の倒産を予測する - 2018年 -』

【3】  検証      『今年の倒産を予測する - 2017年 - 予測精度検証』

【4】  編集後記    『“自厳×2”の年』

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【今年は?】
上場企業の倒産件数は昨年と同水準、全企業の倒産件数は増加する。

 

 

【重大イベントカレンダー】
今年の政治経済にインパクトがあるイベントを列挙した。
このイベント情報等を踏まえて、倒産件数に影響のある要因を
〔ネガティブ〕と〔ポジティブ〕に分けて、記載する。

2018event.jpg

 

 

〔ネガティブ要因〕
(1)超楽観的な空気
曖昧な言葉で恐縮だが、現在の日本を覆う超楽観的な空気は何だろうか?

 


1.経営者やアナリストの9割9分の人が、今年の日経平均株価や景気を
ポジティブ(強気)に捉えている。

 


2.政治は、実質的に野党が不在のため、超盤石の安倍政権に死角なし。
(憲法改正の発議のみ、不安定要素。)

 


3.「2020年に東京五輪を控え景気は悪くならないだろう」という
世間一般の超安穏感。

 


ここ5年ぐらいで、これほど安穏感が流れている年はない。
歴史から言えることは、こういう時に、リーマンショックような事件が発生する。

 


ちなみに、リーマンショック前の日本は「実感なき好景気」だった。
今も、まさに「実感なき好景気」である。

 


このままの安穏な空気のまま、1年が過ぎることはないだろう。

 


今年の9月15日にはリーマンショックから10年を経過するのも、
何かの兆しかもしれない。

 

 

(2)混迷の米国
米国の影響は多岐に渡るため、3つにわけて記載する。

 


 No.1 トランプ大統領の予測不可能性

 

1月25日、人類による地球破壊までの残り時間を比喩的に示す
「終末時計(Doomsday Clock)」が30秒進んだ。

 


核戦争の懸念の高まりやトランプ大統領の「予測不可能性」が
その理由である。

 


予測不可能性の高い国として、北朝鮮が挙げられることは多い。
しかし、それにも負けず劣らず、トランプ大統領の発言や政策は
全く予測がつかない。

 


ポジティブな予測不可能性ならば良いのだが、
圧倒的にネガティブなインパクトが多いことは、世界中の人が体感をもって
知っている。

 

 

 No.2 棍棒外交

 

セオドア=ローズヴェルト大統領は、ヨーロッパ諸国の干渉を
排除する外交政策を展開し、積極的に「棍棒」を振りかざした
外交政策を実施した。

 


トランプ大統領は、数多の地域において、「棍棒」を振りかざし、
米国第一の政策をゴリ押し中だ。

 


イスラエルの米国大使館をエルサレムに移設する方針に反発する
パレスチナに対しては、「カネはテーブルの上にある。
(イスラエルと)和平交渉を始めない限り、カネは彼らに行かない」と述べ、
和平交渉に復帰しないと今後は援助を凍結する考えを表明している。

 


秋に実施される米国の中間選挙まで、トランプ大統領は耐えられるのだろうか?

 

 

 No.3 大型減税

 

連邦法人税率を35%から21%へと引き下げ、個人所得税も大幅に軽減
されることになった。

 


一気に14%分の法人税率を下げる計算である。

 


この結果、米国経済が過熱すると思うが、パウエル新議長率いるFRBは
金利を上げる回数を増やし、過熱を冷やす政策を取ると思われる。

 


いずれにしろ、日本にとっては、ドルが買われることによって、
円安となり、輸出企業は多大な為替差益を恩恵を受けるかもしれない。

 

 

(3)トランプチルドレンの大量発生
各国で、~のトランプと呼ばれる人物が生まれている。

 

 

フィリピンのドゥテルテ大統領
フランスのマリーヌ・ルペン国民戦線党首
ドイツのフラウケ・ペトリAfD党首
オランダのヘルト・ウィルダース自由党党首
チェコのアンドレイ・バビシュ首相
オーストリアのクルツ首相

 


トランプ大統領の特徴は、予測不可能性が高く、米国第一(保護主義)である。
その人物と似ていると言われる人物が各国で誕生し、一定の影響力を持っている。

 


世界は、トランプ大統領の誕生を機に、
反グローバリズム(保護主義)がトレンドとなりつつある。

 


日本の貿易収支への影響は、負の影響しかない。

 

 

(4)リーダー宣言した中国
イアン・ブレマー(ユーラシアグループ社長)の2018年世界の10大リスクとして、
トップに記載されたのが下記である。

 


・リーダー国家不在の間隙を衝く中国

 


※米コンサル会社ユーラシアグループの報告書から
https://www.eurasiagroup.net/siteFiles/Media/files/2018_Top_Risks_Japanese.pdf

 


中国は、「核心」となった習近平国家主席のもと、
世界のリーダーとして、主導的な役割を演じることを宣言した。

 


すでに経済面では、各国は中国に依存しており、
中国のバラマキ政策によって、親中国の国となったアジア・アフリカの国は多い。

 


2017年、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、
日本などが主導するアジア開発銀行(ADB)の加盟国数を上回っており、
日・米・EUの時代から、中・米・EUの時代へ確実に移行している。

 


米国寄りの政策が多い日本だが、戦略的に中国との関係を見直す時期に
来ていると言えるだろう。

 

 

(5)日銀 黒田総裁の任期切れ
2018年4月8日、日銀の黒田総裁の任期が終了する。

 


当然、その前には後任が決まっていると思われるが、
焦点は、「年間6兆円の指数連動型上場投資信託(ETF)の購入継続」である。

 


米国をはじめ、各国の中央銀行は、ゆっくりと有事における
資産買い入れを減らしつつある。

 


日銀は、日本株の最大購入者であり、最大株主である状況となっており、
「大きすぎてつぶせない」ではないが、
「大きすぎて減らすことができない」というジレンマに陥っている。

 


このまま永遠にETFを購入し続けることはあり得ないため、
次の日銀総裁が購入の継続可否についてどのような考えを
持っているかは最大のポイントである。

 

 


日銀が掲げた2%の物価目標は、
何度も何度も達成時期の先延ばしをしていることを踏まえると、
「完全なる失敗だった」と結論づけることに
意義を唱える人はいないだろう。

 

 

(6)銀行の苦境
銀行を取り巻く環境は、極めて厳しい。

 

1.日本の人口減
2.マイナス金利
3.フィンテックの隆盛(資金調達方法の多様化)

 


上記の影響により、都銀は何千から何万もの社員を削減(自然減)と
店舗の統廃合を進めることを発表した。

 


地銀や信用金庫、信用組合では、合併や提携が相次いでいる。

 


銀行の経営が厳しくなれば、銀行の貸出先にも“しわ寄せ”が
来るのは自明である。

 


支払いのリスケを繰り返す企業に対しては、銀行も“太陽政策”を
継続することはなくなるだろう。

 

 

(7)イギリスのEU離脱
現在の最大の焦点は、EU離脱に伴う移行期間の導入可否である。

 

英国は、2年程度の移行期間を設け、期間中はEU諸国との関税同盟などについて
現状維持を求める方針である。

 

もし、移行期間がなければ、英国の企業(英国に拠点のある企業も含む)は、
2019年4月1日以降、EUの関税に基づいた貿易ができない。

 

英国の産業界は、政府に対して、迅速に移行期間の締結をするよう猛烈な要請している。

 

この締結が2018年の秋までにできなければ、英国に拠点を置く企業は、
軒並み英国からEU加盟国へ移転すると言われている。(すでに、その動きはある。)

 


今年中に、「英国のEU離脱撤回」という事態が起きても、何ら不思議ではない。

 

 

(8)自然災害大国の日本
1月23日、草津白根山の本白根山が噴火した。
草津温泉の宿泊施設では、少なくとも1万4千人以上の宿泊キャンセルが相次いだ。

 


日本は、自然災害を受けやすい国土である。

 


台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などの影響は、
常に念頭に置いておくべきである。

 

 

次号に続く。 

 


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