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粉飾
2018/12/26

今年の粉飾を把握する〔2018年〕- 自己完結型粉飾の王道 -(1)

ブログ

例年通り、企業評価の“眼”を更新することを目的として、
『上場企業の不適切な会計処理』のリリースをまとめたレポートをお送りします。

 

【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/  vol.34

◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『第三者委員会の設立はいつ?日産の有価証券報告書の虚偽記載』

【2】  本文      『今年の粉飾を把握する〔2018年〕- 自己完結型粉飾の王道 -』

【3】  編集後記    『通勤電車で流血!?』

 

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【1】  第三者委員会の設立はいつ?日産の有価証券報告書の虚偽記載
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日産自動車における有価証券報告書の虚偽記載において、
“ある種の違和感”を感じる人は少なくないだろう。

 

上場企業において、有価証券報告書の虚偽記載が発覚した場合、
本来は第三者委員会を設立し、調査の結果を公表すれば良い。
ある意味では、それだけである。(事件まで発展するのは極めて稀。)

 

今回は、第三者委員会の代わりに、いきなり東京地検特捜部が動いた。

 

当然だが、事前通報なしに東京地検特捜部が登場することはない。

 

「片方の当事者が東京地検特捜部へ情報をリークし、
ルノー系役員の一掃を諮った」と考えるのが極めて自然である。

 

つまり、本件は「当事者同士の権力闘争」でしかない。

 

早急に、有価証券報告書の虚偽記載だけではなく、
「どのような経緯で東京地検特捜部が動いたのか?」などを解明するための
第三者委員会が設立されることを期待したい。

 


それでは、例年よりも大幅に遅れて大変恐縮ですが、
「今年の粉飾を把握する」をお楽しみください。

 


昨年の「今年の粉飾を把握する〔2017年〕- 資金流出系の隆盛 -(1)」は、
下記のブログをご参照ください。
http://alox.jp/blog/2017/12/06/108

 

 

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【2】 今年の粉飾を把握する〔2018年〕- 自己完結型粉飾の王道 -
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【不適切な会計処理】
例年通り、企業評価の“眼”を更新することを目的として、
『上場企業の不適切な会計処理』のリリースをまとめたレポートをお送りします。
(長文のため、3回に分けて配信します。
一気に通読したい方は、3回目のメールに記載するブログのURLをクリックしてご参照ください。)

 

 

【24件のリリース】
“今年”※は24件の「不適切な会計のリリース」があった。
(ちなみに、2017年21件、2016年21件、2015年21件、2014年14件、2013年20件、
2012年29社、2011年17件、2010年15件だった。)


※ 昨年からの連続性を踏まえると、集計期間は2017年9月~2018年8月とすべきですが、
昨年掲載すべきリリース漏れがあったことや、集計及び資料作成時期の都合上、
2017年3月~2018年9月を“今年”と表現させて頂いております。
何卒ご了承ください。

 

 


【不適切な会計に関する調査報告書 -概論-】 
※昨年とほぼ同じ序論です。すでに、ご存知の方は読み飛ばしてください。


報告書には、2種類ある。


(1)内部調査委員会報告書(社内調査委員会報告書)
社内の監査役や顧問弁護士等によって作成された報告書。

→ 身内によって作成された報告書のため、甘い報告書となりがち。
「調査した」という外形を整えることを目的とした報告書に見えるものも多い。

 

(2)第三者委員会報告書(社外調査委員会報告書)
企業から独立した弁護士や専門家等によって作成された報告書。
日弁連の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿って、作成される。

→ 経営者等のためではなく、すべてのステーク・ホルダーのために
作成された報告書のため、内部調査委員会の報告書に比べれば、
格段に透明性の高い報告書である。


調査報告書の概要については、下記の資料をご参照ください。
<不適切な会計に関する調査報告書 -概論->
http://alox.jp/dcms_media/other/171204_outline_dressingreport.pdf

 

 


<不適切な会計処理に関するリリースをした会社一覧>

2017/03/27 8090 東証1 昭光通商
2017/03/30 6678 東証1 テクノメディカ
2017/08/09 6715 東証1 ナカヨ
2017/10/31 2220 東証1 亀田製菓
2017/12/01 6942 ジャスダック ソフィアホールディングス
2017/12/04 1971 東証2 中央ビルド工業
2017/12/08 1822 東証1 大豊建設
2018/01/12 9924 名証2 ドミー
2018/01/17 7215 東証1 ファルテック
2018/02/09 6239 ジャスダック ナガオカ
2018/02/13 9101 東証1 日本郵船
2018/02/15 2402 マザーズ アマナ
2018/02/28 8032 東証1 日本紙パルプ商事
2018/03/27 7519 ジャスダック 五洋インテックス
2018/04/13 4347 ジャスダック ブロードメディア
2018/04/27 4028 東証1 石原産業
2018/05/02 1711 東証2 省電舎ホールディングス
2018/05/10 3156 東証1 UKCホールディングス
2018/05/10 6926 東証1 岡谷電機産業
2018/05/23 6072 マザーズ 地盤ネットホールディングス
2018/07/10 6064 マザーズ アクトコール
2018/08/01 4287 ジャスダック ジャストプランニング
2018/08/07 6637 ジャスダック 寺崎電気産業
2018/09/14 6901 東証1 澤藤電機

 

 

<不適切な会計処理 リリース概要一覧表>
http://alox.jp/dcms_media/other/181216_2018dressing.pdf.pdf

 

 

【不適切な会計処理の型】
粉飾をその手法等に基づき、
「売上加工」「利益捻出」「資金流出」「循環」「混在」の5つに分類した。


1「売上加工」とは
→架空売上、押し込み販売、売上の前倒しなど、売上を増やす行為


2「利益捻出」とは
→売上原価の過小計上や翌期繰延、費用の過小計上や翌期繰越、
棚卸資産の過大計上など、利益を増やす行為


3「資金流出」とは
→創業者や特定の担当者による商行為の私物化、
協力会社との癒着によるキックバック、買収や取引を通じてグループや
協力会社への資金援助など、会社から資金を流出させる行為


4「循環」とは
→協力会社を通じて、売上、仕入れ、資金を循環させる行為
(3と4の合わせ技として、社外へ「資金流出」するために、
「循環取引」が用いられることは多い。)


5「混在」とは
→売上を増やす行為と利益を増やす行為が混在するケースや、
役員や従業員の私利私欲を満たすような個人プレーなどの
1~4に分類できない多種多様な行為

 

 

【分類別の企業一覧】
<売上加工>
・ソフィアホールディングス
・ナガオカ
・五洋インテックス
・石原産業
・省電舎ホールディングス
・地盤ネットホールディングス


<利益捻出>
・亀田製菓
・中央ビルド工業
・ドミー
・日本紙パルプ商事
・澤藤電機


<資金流出>
・テクノメディカ
・ナカヨ
・大豊建設
・ブロードメディア
・UKCホールディングス


<循環>
・昭光通商
・アクトコール


<混在>
・ファルテック
・日本郵船
・アマナ
・岡谷電機産業
・ジャストプランニング
・寺崎電気産業

 

 

【今年の傾向】
昨年と同様に資金流出(循環による資金流出も含む)系の粉飾は、24社中7社(29%)と多い。
また、「自己完結型粉飾の王道」というべき“在庫調整による利益捻出”も、24社中5社(21%)と多かった。

 

【自己完結型粉飾の王道】
多くの場合、売上加工や資金流出などの粉飾行為では、共犯者というべき親密なパートナーが必要である。
だが、そのパートナーの失態や情報漏えい等によって、粉飾が露見することも多い。

一方で、“在庫調整による利益捻出”は、共犯者がいらない。

会社の必達目標や上司からの有形無形のプレッシャーによって、
工場現場や経理担当者が自らの裁量の範囲内で実行可能な粉飾」であり、
非常に重宝されている粉飾テクニックである。

 

次号に続く。

 


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