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粉飾
2019/12/24

今年の粉飾を把握する〔2019年〕- 罪悪感の低い粉飾 -(1)

ブログ

例年通り、企業評価の“眼”を更新することを目的として、
『上場企業の不適切な会計処理』のリリースをまとめたレポートをお送りします。

 

【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/  vol.38

◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『借入を売上にする粉飾』

【2】  本文      『今年の粉飾を把握する〔2019年〕- 罪悪感の低い粉飾 -』

【3】  編集後記    『眠れないほどの痛み』

 

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【1】  借入を売上にする粉飾
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今年は、粉飾の当たり年である。
「数年に1回あるかどうかの粉飾の露見」が相次いでいる。

 

2019年5月に倒産したサンヒットは、15年間も金融機関約20行に対して、
それぞれの決算書”を作成していた


つまり、A行には他の銀行から借入金等は粉飾し、
A行の借入残高は正確に記載された決算書を作成し、
B行には他の銀行から借入金等は粉飾し、B行の借入残高は
正確に記載された決算書を作成していたわけだ。

同様のことを20行に対して行っていたというから驚きと共に、
逆説的に言えば畏敬の念さえ覚える。

 

また、5月に倒産した株式会社リファクトリィは、10年間にわたって
高度な粉飾テクニックを駆使していた。


金融機関の借入を売上に計上していた」という。


詳しく解説すると、下記である。

1.金融機関の借入は、計上しない。
(つまり決算書の簿外の借入として、無かったことにする。)
2.架空売上を計上する。
3.金融機関からの借入の入金を架空売上の売掛金回収として計上する。

 

「通帳の記帳結果等を見れば、それが売上の回収ではなく、
借入に伴う入金なのは分かるのでは?」と思う人がいるはずだ。

その通りだが、非上場企業(いわゆる資本金5億円以上の大会社は含まない)
における決算書は、会計監査が任意であり、必須ではない。

はっきり言って、「何でもあり」なのが、非上場企業の決算書である。


一方で、上場企業の決算書は、会計監査があり、内部統制が必須となって
いるため、粉飾の実行難易度は高い。


それでは、「高難度な環境を物ともせず実行された上場企業の粉飾」を
テーマとした「今年の粉飾を把握する」をお楽しみください。

 


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【2】 今年の粉飾を把握する〔2019年〕- 罪悪感の低い粉飾
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【不適切な会計処理】
遅くなりましたが、例年通り、企業評価の“眼”を更新することを目的として、
『上場企業の不適切な会計処理』のリリースをまとめたレポートをお送りします。

 

【25件のリリース】
“今年”※は25件の「不適切な会計のリリース」があった。
(ちなみに、2018年24件、2017年21件、2016年21件、2015年21件、
2014年14件、2013年20件、2012年29社、2011年17件、2010年15件だった。)


※ 集計及び資料作成時期の都合上、
2018年10月~2019年9月を“今年”と表現させて頂いております。
何卒ご了承ください。

 

 

【不適切な会計に関する調査報告書 -概論-】 
※昨年とほぼ同じ序論です。すでに、ご存知の方は読み飛ばしてください。


報告書には、2種類ある。


(1)内部調査委員会報告書(社内調査委員会報告書)
社内の監査役や顧問弁護士等によって作成された報告書。

→ 身内によって作成された報告書のため、甘い報告書となりがち。
「調査した」という外形を整えることを目的とした報告書に見えるものも多い。

 

(2)第三者委員会報告書(社外調査委員会報告書)
企業から独立した弁護士や専門家等によって作成された報告書。
日弁連の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿って、作成される。

→ 経営者等のためではなく、すべてのステーク・ホルダーのために
作成された報告書のため、内部調査委員会の報告書に比べれば、
格段に透明性の高い報告書である。


調査報告書の概要については、下記の資料をご参照ください。
<不適切な会計に関する調査報告書 -概論->
http://alox.jp/dcms_media/other/171204_outline_dressingreport.pdf

 

 

<不適切な会計処理に関するリリースをした会社一覧>

2018/09/14 3686 東証1 ディー・エル・イー
2018/09/28 5781 東証2 東邦金属
2018/11/01 7597 ジャスダック 東京貴宝
2018/12/07 7997 東証2 くろがね工作所
2018/12/14 3445 東証1 RS Technologies
2018/12/14 3803 ジャスダック イメージ情報開発
2018/12/17 1873 東証1 日本ハウスホールディングス
2019/01/16 7769 東証1 リズム時計工業
2019/01/18 6333 東証1 帝国電機製作所
2019/01/21 6188 東証2 富士ソフトサービスビューロ
2019/02/08 4708 東証1 りらいあコミュニケーションズ
2019/02/08 5938 東証1 LIXILグループ
2019/02/13 1448 東証1 スペースバリューホールディングス
2019/03/01 1515 東証1 日鉄鉱業
2019/03/11 7949 東証1 小松ウオール工業
2019/04/05 7869 ジャスダック 日本フォームサービス
2019/05/07 6465 東証1 ホシザキ
2019/05/07 6675 東証1 サクサホールディングス
2019/05/08 8132 東証1 シナネンホールディングス
2019/05/10 6706 東証1 電気興業
2019/05/16 8089 東証1 すてきナイスグループ
2019/05/24 5121 東証1 藤倉コンポジット
2019/06/27 9787 東証1 イオンディライト
2019/07/11 7806 マザーズ MTG
2019/08/28 7604 東証2 梅の花

 

 

<不適切な会計処理 リリース概要一覧表>
http://alox.jp/dcms_media/other/191215_2019dressing.pdf

 

【不適切な会計処理の型】
粉飾をその手法等に基づき、
「売上加工」「利益捻出」「資金流出」「循環」「混在」の5つに分類した。


1「売上加工」とは
→架空売上、押し込み販売、売上の前倒しなど、売上を増やす行為


2「利益捻出」とは
→売上原価の過小計上や翌期繰延、費用の過小計上や翌期繰越、
棚卸資産の過大計上など、利益を増やす行為


3「資金流出」とは
→創業者や特定の担当者による商行為の私物化、
協力会社との癒着によるキックバック、買収や取引を通じてグループや
協力会社への資金援助など、会社から資金を流出させる行為


4「循環」とは
→協力会社を通じて、売上、仕入れ、資金を循環させる行為
(3と4の合わせ技として、社外へ「資金流出」するために、
「循環取引」が用いられることは多い。)


5「混在」とは
→売上を増やす行為と利益を増やす行為が混在するケースや、
役員や従業員の私利私欲を満たすような個人プレーなどの
1~4に分類できない多種多様な行為

 

 

【分類別の企業一覧】
<売上加工>
・イメージ情報開発
・富士ソフトサービスビューロ
・LIXILグループ
・ホシザキ
・サクサホールディングス
・シナネンホールディングス
・イオンディライト
・MTG

 

<利益捻出>
・リズム時計工業
・りらいあコミュニケーションズ
・スペースバリューホールディングス
・日鉄鉱業
・小松ウオール工業
・電気興業
・すてきナイスグループ
・梅の花

 

<資金流出>
・東邦金属
・東京貴宝
・RS Technologies
・日本ハウスホールディングス
・帝国電機製作所
・藤倉コンポジット

 

<混在>
・ディー・エル・イー
・くろがね工作所
・日本フォームサービス

 

 

【今年の傾向】
今年は、「売上・利益の前倒し」が多かった。


両方ともに、ほぼ自社のみで実行可能な粉飾であり、
会社というよりも、子会社、事業部、支店等の責任者単位で
数値目標達成の裏技として実行されるケースが多かった。


また、「売上や利益を先食いしているだけ」という考えから、
“粉飾をしているという後ろめたさが少ない”のも特徴でもある。

 

 

次号に続く。

 


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