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分析
2020/03/24

図解で理解する“コロナ後”の資金繰り

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今回のメールマガジンでは、資金繰り表を用いて、
架空の飲食店【カレーハウスAAA】の月次決算の数値から、
今起きている資金繰りの危機を理解することが目的である。

 

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◆ 目 次 ◆

【1】  本文      『図解で理解する“コロナ後の資金繰り』

【2】  編集後記    『危機における政治家・知事』

 

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【2】 図解で理解する“コロナ後の資金繰り
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【はじめに】
新型コロナウイルスに端を発した『消費蒸発』により、
消費者に近い企業(BtoCの企業、飲食業、宿泊業、サービス業など)
の資金繰りは、壊滅的な打撃を受けている。


今回のメールマガジンでは、資金繰り表を用いて、
架空の飲食店【カレーハウスAAA】の月次決算の数値から、
今起きている資金繰りの危機を理解することが目的である。


現時点では、飲食業や宿泊業などの危機がクローズアップされているが、
卸売業や製造業、さらに言えば金融業まで同様の危機が訪れる可能性はありうる。


資金繰り危機を“疑似体験”することによって、取引先の資金繰り状況を
精度高く推測することの一助になると考える。


経営者の視点で、架空の飲食店【カレーハウスAAA】の資金繰り表を
じっくりと見て頂きたい。

 

【架空の飲食店の情報】

<会社概要>
社名 カレーハウスAAA
住所 東京都千代田区
創業 2003年3月
資本金 1,000万円
代表者 東京 太郎
事業内容 クセのある風味と食感が評判のカレー飲食店。
都内に3店舗展開している。

 

【平時の資金繰り】

<2020年3月> 単位:千円
収入 売上(月商) 10,000
支出 買掛金現金支払 1,500
給与 5,500
家賃 1,500
支払利息 10
他の経費 500
借入金の返済 8
収支 981
現金・預金 10,000
繰越現金・預金 10,981


毎月98万1千円(売上-費用-借入金の返済)、現金が増える資金繰りである。

 

 

【緊急事態宣言後の資金繰り】 

<2020年4月①> 単位:千円
収入 売上(月商) 3,000
支出 買掛金現金支払 1,500
給与 5,000
家賃 1,500
支払利息 10
他の経費 500
借入金の返済 8
収支 -5,518
現金・預金 10,981
繰越現金・預金 5,463

 


“ステイホーム”や営業時間短縮に伴い、売上は3分の1に
なった。
デリバリーやテイクアウトを拡充したが、固定費を賄うレベルには程遠い売上高である。

飲食業のため、『売上=現金収入』だが、仕入に伴う買掛金の支払いは翌月末払いとなる。

そのため、売上が3分の1となったが、仕入代金は平時の金額と同じ150万円の支払いとなる。

売上が減っても固定費(家賃、給与)は、費用として発生するため、支払わなければならない。
アルバイトのシフト数を調整することによって、給与は前月より5万円減らしたが、効果は微減。


このままの売上で推移した場合、5月には資金繰りが破綻するため、
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」で1000万円の融資を受けることにした。

 

<2020年4月②:1000万円の借入金追加後> 単位:千円
収入 売上(月商) 3,000
支出 買掛金現金支払 1,500
給与 5,000
家賃 1,500
支払利息 10
他の経費 500
借入金の返済 8
財務 長期借入金 10,000
収支 4,482
現金・預金 10,981
繰越現金・預金 15,463

 



【緊急事態宣言が延長された後の資金繰り計画】 
緊急事態宣言が解除(もくは緩和)されるであろう5月7日までの我慢と考えていた。
しかし、5月31日まで緊急事態宣言が延期されたため、再度、資金切り計画について
再考しなければならない

          単位:千円
<2020年5月以降の資金繰り計画> 2020年5月 2020年6月 2020年7月 2020年8月
収入 売上(月商) 1,000 1,000 1,000 1,000
支出 買掛金現金支払 450 150 150 150
給与 5,000 4,000 4,000 4,000
家賃 1,500 1,500 1,500 1,500
支払利息 10 10 10 10
他の経費 150 50 50 50
借入金の返済 25 25 25 25
収支 -6,135 -4,735 -4,735 -4,735
現金・預金 15,463 9,328 4,593 -141
繰越現金・預金 9,328 4,593 -141 -4,876

 

5月以降の売上は、平時の売上1000万円から10分の1となる100万円と仮定した。
(買掛金現金支払も同様に10分の1としています。)
この売上で推移した場合、借り入れた1000万円は一瞬で蒸発し、2ヶ月後の7月には、資金繰りが破綻する 。
資金繰りを改善するために、対応を検討し、早急に実行しなければならない。




<対策と検討事項>
1.契約期間が残っているため、店舗の賃貸契約の解約はできない。
だが、大家と交渉し、家賃の減額やリスケ、保証金による支払いを依頼する。

2.従業員は、雇用調整助成金(休業手当の一部)を駆使して雇用を維持するか、リストラするか検討する。

3.焼け石に水だが、国や東京都の助成金を申請する。

4.3店舗の内、2店舗をたたむ方が良いかもしれない。その場合、賃貸契約の解除とリストラも必要となる。
さらに、原状回復の費用も発生し、敷金だけでは足りないかもしれない。

<経営者の自問自答>
今後、外食する人が少なくなるのではないか?

インバウンドに伴う外国人の来客の回復は、絶望的だろう。

店舗を縮小して、カレーデリバリーの専門店に業態転換するか?

追加借入は可能だが、返済することができるのか?借金が増えるだけでは?

5月31日で緊急事態宣言が解除されても、平時の売上に戻ることはないのでは?

従業員には悪いが、将来の売上回復見込みが立たないから、
痛みが小さい今の内に廃業した方が良いんじゃないか?


 

【考察】
2020年4月28日、東京都内で各党代表と飲食店経営者らによる
「家賃支払い問題に関するパネルディスカッション」が開かれた。

そこで、国内76店舗展開するゴーゴーカレーグループ 宮森宏和社長は、
キャッシュインが本当になくてですね、本当に困っています。
本当に毎日、寝られないんですよ」と発言している。

『売上=現金収入』の飲食業の社長らしい表現で、切実な声である。


多くの飲食店は、『売上=現金収入』がなければ、固定費の重みに耐えられない。
“ステイホーム”によって、少なくとも5月31日まで、消費は蒸発し続ける。

「政府による自粛という名の命令」によって、営業の自粛や営業時間短縮を
余儀なくされ、その自粛に伴う補償は、雀の涙レベルである。

5月31日以降も“ステイホーム”が続くようなことになれば、
多くの経営者の心が折れても不思議ではない。 



【総括】
コロナ前とコロナ後では、世界が違う。
コロナ前と全く同じ生活に、戻ることはない。


中国に対しては、世界各国が取引の縮小や損害賠償を行い、
可能な限り、生活必需品や医療用製品を自国で製造する体制を志向することになる。

三密を避ける習慣は継続し、新生活様式に基づいた生活・企業活動が必要となる。
・NHK 「新生活様式」長丁場に備えて その詳細は 新型コロナ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200504/k10012417781000.html


ダーウィンの法則よろしく、コロナ後の世界に合わせられる企業以外、
生き残ることはできない。

企業が、コロナ後の世界に合わせることができるまで、
政府や都道府県が資金繰りを支える必要がある。

今は特に、“ステイホーム”によって、売上が激減するという
被害を被っている業界(飲食業、宿泊業、サービス業など)の経営者を
物心両面で丁寧なケアをしなければならない。


経営者の心が折れたら、倒産しかない


企業審査・評価の観点で言えば、必要不可欠な取引先については、財務内容だけではなく、
経営者の状況把握まで確認しておいた方が良い。
何といっても、今は100年に1度の危機なのだから。

 

 

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【2】 危機における政治家・知事
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東日本大震災の際、内閣官房長官だった枝野幸男氏は、
その誠実な対応と自分の言葉で話す姿勢から、株をあげた。
一時、「枝野寝ろ」というフレーズが流行した。


新型コロナ危機においては、中央の閣僚や国会議員だけではなく、
全国の知事にもスポットライトを当てている。

日々の記者会見から、「自分の言葉で話す顔の見える政治家・知事」の株は上昇し、
「地元で担がれた、話す言葉に説得力のない政治家・知事」のメッキは剥がれた。

「東京五輪の開催延期が決定するまでは感染者の情報を隠していた疑惑」や
「7月の都知事選を意識している」かもしれないが、小池都知事のリーダーシップも
賞賛されている。


危機においては、「真の実力を持った人とそうでない人の差が際立つ」と感じています。

 

倒産・粉飾ウォッチャー 塙 大輔



志村けんさんの死はショックでした。
私の人格形成の一部に間違いなくドリフターズがありました。
親族の死と同等ぐらいの喪失感があります。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。

 


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