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倒産
2019/01/31

今年の倒産を予測する - 2019年 - ③

ブログ

前号からの続きです。

 

【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/  vol.36

◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『銀行は支援しない ~ 年初から上場企業が倒産 ~』

【2】  本文      『今年の倒産を予測する - 2019年 -』

【3】  検証      『今年の倒産を予測する - 2018年 - 予測精度検証』

【4】  編集後記    『“惑わず”の年』

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〔ポジティブ!?要因〕
(1)働き方改革関連法案
2019年4月1日から、働き方改革関連法案
(「残業時間の上限規制」「年5日の有給取得」
「勤務時間インターバル制度」「高度プロフェッショナル制度」)が施行される。

趣旨としては、効率的に業務を行い、
社員や非正規などの立場ではなく、成果によって評価することを促している。

時間をかければ誰でもできる単純労働の報酬は低くなり、場合によってはロボットに代替される。
アマゾン・ゴーのようなITが駆使された無人店舗の広がりは避けられない。

法案施行後、必然的にレジャー関連業界(旅行、スポーツ、趣味など)は潤うのは間違いなく、
働き方改革を促進するRPA、AIなどの技術やサービスは、すでに活況である。




(2)TPP11の発効
昨年末、TPP11(包括的及び先進的なTPP協定:CPTPP)が発効した。

TPP11には、オーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,マレーシア,
メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,ベトナムの11カ国が参加している。

要は輸出入に伴う関税等の緩和であり、貿易関連業種は恩恵を受ける。
ただ、米国が抜けているため、従前のTPPに比べたら、効果は各段に低い。




(3)東京五輪の前年
2020年の東京五輪の前年のため、建設関連の需要は底堅い。
オリンピックは、スポーツの祭典であると同時に企業によっては、
全世界へ自社やサービスをアピールできる機会でもある。

10月中にサービス開始予定の第4のキャリアである楽天モバイルも、
そういう狙いがあるかもしれない。




(4)新天皇の即位
新天皇の即位によって、日本の空気は変わるかもしれない。
政治経済への好影響がもたらされる可能性もある。
まず、新天皇が即位のタイミングで、どのような言葉を述べられるのか、必聴である。




【総括】
昨年は、ネガティブなリスクが潜伏していた。
今年は、ネガティブなリスクが顕在化した。
上記の要因や過去からの推移、今年は下記の倒産件数を予想する。


<倒産件数(予測)>
〔上 場〕    →  5(±1)
〔全企業〕    →  8,900(±500)



※ 参照資料
・東京商工リサーチ  『2018年(平成30年)の全国企業倒産8,235件』
http://www.tsr-net.co.jp/news/status/yearly/2018_2nd.html
・帝国データバンク  『2018年(平成30年) 1月1日~12月31日』
http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/18nen.html
・週刊東洋経済    『2019年大予測』
・日経ビジネス     『徹底予測2019』
・週刊ダイヤモンド   『2019総予測』
・週刊エコノミスト   『世界経済総予測2019]』
・週刊エコノミスト   『日本経済総予測2019]』
・プレジデント     『大予測2019年』



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【3】 今年の倒産を予測する - 2018年 -予測精度検証
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昨年の『今年の倒産を予測する - 2018年 -』では、下記の予測を行った。


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<2018年予測:倒産件数>
〔上 場〕    →  3(±1)
〔全企業〕    →  9,100(±500)


(参照元:「今年の倒産を予測する - 2018年」
http://alox.jp/blog/2018/01/30/112 )

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2018年の倒産件数は下記の結果となった。

<2018年結果:倒産件数>
〔上 場〕    →  1
〔全企業〕    →  8,235


2018年の倒産件数予想は、上場・全企業ともに、大きくブレてはいないが、
予想よりも倒産件数が少なかった。

悲観的すぎた分析だったのかもしれません。
もしかしたら、2019年も悲観的すぎる分析かもしれませんが、
2018年よりも潜在していたリスクが顕在化しているため、保守的な評価となっています。


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【4】 “惑わず”の年
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今年は、“惑わず”の年としたい。


沈着冷静な心、メンタルを得るべく精進したい。


一瞬の感情や気持ちに左右されず、
自分を俯瞰し、自問自答しつつ、
心の中は「静寂な朝」のような落ち着きを維持できるようにしたい


とは思っていますが・・・。

年末のメルマガにも記載した通り、2019年は怒涛のごとく日が過ぎています。
怒涛過ぎて、体調を崩しました。
久しぶりに風邪らしい風邪を引きました。


沈着冷静な心やメンタルの前に、体力をつける必要がありそうです


大変遅くなりましたが、本年も宜しくお願い致します。


倒産・粉飾ウォッチャー 塙 大輔


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