今年の倒産を予測する - 2023年 -(3)

2022年の倒産動向を振り返り、
【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/ vol.53
◆ 目 次 ◆
【3】 検証 『今年の倒産を予測する - 2022年 - 予測精度検証』
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前号からの続きです。
〔ポジティブ!?要因〕
(1)インドの隆盛
2023年、インドは中国を抜き、人口で世界第1位になる見込みである。
人口ボーナスを享受し、数年以内には、国内総生産(GDP)で日本を抜き3位と
なることが確実視されている。
また、新しい有望な企業も続々と生まれており、
ユニコーン企業の数は53社(全世界で3位)も存在する(日本は6社で15位)。
『参照元:ユニコーン企業とは?国内・海外の企業を評価額ランキング形式で紹介!
https://fisco.jp/media/unicorn-company-about/』
インドは、オフショア開発やアウトソーシングの委託先から、
革新的なシステムやサービスを提供する国へ脱皮した。
日本からの視点では、インドで開発されたシステムやサービスを
日本向けにローカライズする企業が恩恵を受けることになるはずだ。
(2)防衛費の増加
一部には、アメリカの要請に従ったという話もあるが、
防衛費が増額されることになりそうだ。
ウクライナ紛争、台湾有事、北朝鮮のミサイルなど、
軍事的な危機が跋扈しており、軍事費の増額を行いやすい社会情勢といえ、
それに反対することも難しい(もちろん、防衛費増額に紐づく増税そのものに
反対することは容易ではある)。
しばらく、軍需産業は安定した収益を計上できるだろう。
(3)コロナ禍の反動
2023年5月8日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられる。
2020年1月頃に端を発した新型コロナウイルスとの闘いは、これで一旦の区切りとなる。
コロナ禍で抑えられた欲求は“リベンジ消費”として表出するかもしれないが、
突風のようなもので一時的のものだろう。
ある程度のインバウンド復活は期待できるが、中国人旅行者の増加は
まだ先の話であり、その恩恵は少ない。
(4)その他
1.NISAの拡充
岸田政権の掲げる「資産所得倍増プラン」の目玉として、
NISAが恒久的なシステムとして拡充される見込みである。
要は、何十年と言われ続けている「貯蓄から投資へ」という話であり、
それをNISAの拡充によってテコ入れするという話である。
ただ、日本は大前研一氏の言う「低欲望社会」のため、
もっと抜本的な施策が必要と思われるが、証券会社にはチャンス到来と言えそうだ。
2.自動運転「レベル4」のスタート
自動運転の「レベル4」とは、走行ルートなど特定の条件下で、
運転を完全に自動化する状態を示す。
このレベル4の運行許可制度を盛り込んだ改正道路交通法が2023年4月に施行する。
東京の「新交通ゆりかもめ」は無人で走行しているが、遠隔で監視されている。
同様に「レベル4」の場合、車内は無人でも、遠隔での監視されており、
過疎地のバス運行、配送などでの活用が期待される。
運転手不足を解決するソリューションと言えそうだ。
【総括】
アメリカではインフレ抑制のために、金利の利上げが実施された。
その結果、企業の資金調達コストが上昇、設備投資の減少、業績悪化の負のスパイラルにある。
ヨーロッパは、エネルギーコストの上昇が企業業績のみならず、
国民の生活にもマイナスの影響も与えている。
日本でも同様に物価のみが上昇し、コロナ融資の返済に窮する企業も出てきた。
上記及びネガティブ、ポジティブの要因や過去からの推移から、
今年は以下の倒産件数を予想する。
<倒産件数>
〔上 場〕 → 3(±1)
〔全企業〕 → 7,500(±300)
※ 参照資料
・東京商工リサーチ 『2022年(令和4年)の全国企業倒産6,428件』
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/yearly/2022_2nd.html
『2022年の「休廃業・解散」4.9万件、2年ぶり増加 コロナ支援縮小のなか、
黒字率が過去最低の54% ~ 2022年「休廃業・解散企業」動向調査 ~』
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230116_01.html
・帝国データバンク 『全国企業倒産集計2022年報』
https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/22nen.html
・週刊ダイヤモンド 『2023総予測』
・週刊東洋経済 『2023年大予測』
・日経ビジネス 『徹底予測2023』
・週刊エコノミスト 『世界経済総予測2023』
・週刊エコノミスト 『日本経済総予測2023』
・日経トレンディ 『2023-2030大予測』
・渡邊哲也 『世界と日本経済大予測 2034-24』
・大前研一 『日本の論点 2023~24』
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【3】 今年の倒産を予測する - 2022年 -予測精度検証
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昨年の『今年の倒産を予測する - 2022年 -』では、下記の予測を行った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
<2022年予測:倒産件数>
〔上 場〕 → 3(±1)
〔全企業〕 → 8,000(±300)
(参照元:「今年の倒産を予測する - 2022年」
https://alox.jp/blog/2022/01/30/146 )
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2022年の倒産件数は下記の結果となった。
<2022年結果:倒産件数>
〔上 場〕 → 1
〔全企業〕 → 6,428
2022年の予想は、倒産が増えるという方向感は正しかったが、
やや倒産件数を多く見積りすぎた結果となった。
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【4】 “腹八分目”の年
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今年は、“腹八分目”の年としたい。
子供の頃、「残さずに、たくさん食べることが良い」という家庭に
育ったこともあり、お代わりをしてお腹いっぱいになるまで、食べたものです。
しかし、昨今のYoutube健康系チャンネル
(私は「本要約チャンネル」がお気に入り)を見るにつけ、
可能な限り、白い精製された炭水化物(パン、パスタ、ラーメン、うどん、白米)の
食べる量を少なくし、食物繊維や発酵食品を食べる機会を増やすことが重要と喧伝しています。
さらに、お腹いっぱいに食べると胃や腸などの消化器官に大きな負担をかけ、
眠くなるなどのデメリットがあると言われています。
一方で、“腹八分目”にすれば、集中力も高まり、疲れにくくもなり、体重も減り、健康にも良い。
つまり、悪い事はなく、良い事しかないので、「やるしかない!」と、今は思っています。
大変遅くなりましたが、本年も宜しくお願い致します。
倒産・粉飾ウォッチャー 塙 大輔
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